妄想代理人の考察

くらし 読書感想文

最終更新日:2020/08/09

ラムネグから一言:寝る前に読むとくだらなすぎて逆に寝れると好評なすごい適当なブログをこっちではじめてます.

妄想代理人っていうちょっと昔のアニメを今頃見ました。

もうすでに外出自粛は終わってますが、やっぱり特に用事ないのに街に出るのはまだ気が引けるというか、それで万が一かかったらその方が面倒だなと思ってしまい、昔みたいに気軽に出かけられないんですよねー。

というか意外に部屋にいるのも快適というか、悪くない。いやむしろ楽しかったりする。

んでfuluで妄想代理人やってたんで見ました。ここでは妄想代理人の考察やらを書きます。

妄想代理人全体の考察

妄想代理人の登場人物はけっこうクセ強め。いやめちゃクセ強い。

アキラやリンダキューブアゲインなどのような昔のアニメの不気味さが色濃く残ってる。クリエーターに詳しくないんだけど同じ人が関わってたりするのかな。

んでストーリーも難解。だからムダに考察しちゃくなっちゃう。

妄想代理人全体としては、1話と最終話が非常に似ていることから「結局人は変われない、また同じことを繰り返す」というのを暗示していると思う。ループしているっていう意見もあったけどそういう不思議世界とはまた違う…と思う。

んじゃ何を繰り返しちゃうのかっていうと苦しい現実からその目を背けてしまうことを繰り返してしまう、ということだと思う。それが悪いとかいいとかじゃなくて、単純に人間ってそうだよねーというフラットな描き方だと思う。

「日々の退屈や窮屈感、思い通りにいかないイライラ。それこそがまさに生きるという事なのだ」という現実に人は誰でも目を背けてしまう、そしてちょっとしたハプニングや快楽、そういった一時的な刺激に身をゆだねてしまうものだ、ということなんだろう。こっちも良い悪い別にして。

昔と今の対比

現代ってネット普及もあり昔に比べて自分の居場所を見つけやすくなっていると思う。ツイッター、インスタ、ソシャゲ、何をしていても人とつながり、自分の居場所を作ることができる。

ここでいったん川端康成チックな、古き日本を考える。

小説読んだだけであたかも昔日本がそうだったと語るな、と言われればその通りなのだが、いったん目をつぶってほしい。

さて、小説をもとにすると、昔の日本は結婚相手も今ほど自由には選べず、結婚してからの自由も制限されていたように描かれている。仕事も親から受け継いだ仕事があったり、長男の責務など今僕たちが読むとすごく抑圧された我慢が多い時代だったのだなと感じる。

もちろんネットもないし、人付き合いは今よりも驚くほど狭く、しかし驚くほど濃密なものだったように思う。自分の居場所がしっかりそこに固定されているからこその不自由さ。

トレードオフの関係。

そういった抗えない不自由があるからこその緊張と緩和。

蛍、花火、祭り。こういった日々の我慢がふっと解放される瞬間が、現代よりも鮮やかだったのではと思う。これも妄想代理人に照らし合わせてみれば、蛍や花火がマロミや少年バットと同じ種類のものといえるのだろう。一時的な解放。

さてもう一度妄想代理人に話を戻す。

妄想代理人の主要キャラに刑事の猪狩慶一がいる。年配の方の刑事。

猪狩が最終話で「居場所がない現実こそがオレの居場所だ」という言葉を発する。

これこそが妄想代理人のいいたいことなのでは、と思う。

居場所が希薄な現代、どこにでもつながりがあるように見えてその実、一瞬で消えてしまうくらいの不確かな居場所。でもだからこその自由がある。マロミや少年バットのような逃げ場も昔に比べて途方もなく数が増えている。

居場所の飽和、逃げ場の飽和。結局マヒしていってすべての刺激に無頓着になっていくような。地に足がついていないような。

だからなんだ、ていうのはプラスマイナス含めてないんだけど、そういったことを伝えたい作品なんじゃないかなと思う。ただ監督の人としてはそんな自由で飽和した現在よりも、昔の不自由で鮮やかだった世界の方がいいとは思ってそう。

現代社会において人権や個人の尊重、大局として自由を追い求める流れは世界的になっている。しかしその自由はもしかすると人間には手に余るものなのかもしれない。自由ではないからこそ感じる幸せというものがあったのかもしれない。

まとめ

妄想代理人の考察を書きました。

全体的なメッセージについて考察しましたが、妄想代理人にはほかにも、

  1. 明るい家族計画の3人はいつ死んだの?
  2. なぜ月子の初潮描写が必要だったの?
  3. あの老人は結局何者?刑事のもう一人、馬庭はなぜああなってしまったの?
  4. 数式の意味

などなど考察しようと思えばいくらでも考察できる要素がある。またヒマを見つけて書きたい。

【おしらせ、というか完全なる宣伝】

文体がもうぜんぜん適当すぎてあれだけどものすごい自由に書いてるブログ「檸檬だくだく」もよろしく.寝る前に読める恐ろしくくだらないやつです.

こんなにも一ミリも目を引かれないタイトルを取り扱ってます: ココア20g / ハイチュウとかってさ / なぜ米と小麦を食べようと思ったのかの謎 /