ケムリクサの感想・考察【ネタバレ有り】

くらし 読書感想文

最終更新日:2019/08/27

ラムネグから一言:寝る前に読むとくだらなすぎて逆に寝れると好評なすごい適当なブログをこっちではじめてます.

※ネタバレ有り

ケムリクサの感想と考察を書いていますが、ネタバレばっかりなのでまだ見ていない人は読まないようにしてくださいね。ブレスオブファイア5とゼノブレイド2についても対比のためにネタバレしちゃってるので、やってなくてこれからやるつもりの人は読まないでください。

これだけ楽しいアニメを見ずにネタバレで済ませてしまうのはもったいないです。ぜひ視聴してみてください。今ならアマゾンプライムで全話見れます。

ちなみにこの感想や考察はケムリクサ12.1話まで見たうえでの感想と考察になっています。

  1. ※ネタバレ有り
  2. ケムリクサ感想
  3. ケムリクサ考察
  4. 「船」の考察
  5. ラストの自然は地球?の考察
  6. ワカバ=わかば?の考察
  7. 地球人は全滅したの?の考察
  8. 「でっかい葉じゃん」の考察
  9. その他勝手に推測
  10. ケムリクサ感想・考察まとめ

ケムリクサ感想

ケムリクサ、一気見してしまいました。世界観が素晴らしいの一言。細かな伏線やミスリード、広げた風呂敷をきちんとたたみ切るプロットのうまさ、全体的にとても高いレベルのアニメでした。ファンタジックチルドレン以来のハマったアニメだと思います。

全話見てみて、アニメ版「ブレスオブファイア5ドラゴンクォーター」な感じ。世界を守る、とか仰々しいことになるゲームばっかりなのに対し、ブレスオブファイア5は一人の女の子を救うために空を目指すっていう非常にシンプルなストーリー。

ケムリクサもあの荒廃した厳しい世界にもかかわらず「好きをまっとうする」っていうシンプルな動機になっているのが、動機をごちゃごちゃかっこつけるアニメやご都合主義的なぬるい世界観で「仲間のため!」みたいなしょうもないアニメが多い中、非常に好感が持てます。

これまたブレスオブファイア5との対比ですが(それくらい両者に似たものを感じたんですよね)、ラストの解放感は正直ブレスオブファイア5のほうが勝っています。ケムリクサでは賛否ありそうなラストの「好きだ」っていう少々蛇足気味なセリフも、ブレスオブファイア5の「泣きすぎだよ」というちょうどいいあんばいのセリフのほうがグッとくるものがあります。

(どっちの作品もラストに何かしらセリフが必要っていうのはわかりますが、「好きだ」に関しては3文字で歯切れがいい反面、それを言わないことによる余韻を消しちゃっているので評価が難しいところですよね)

ただこれはラストだけの話。道中の世界観や少しずつ明らかになっていく世界の全貌なんかはブレスオブファイア5にはないハマりポイントだし、そのせいで次がどんどん気になって一気見しちゃいました。

こういう「謎」があるストーリーって、ケムリクサみたいに最初から異質な世界観を描いて徐々に明らかにしていくパターンと、またゲームで申し訳ないんですがゼノブレイド2みたいに終盤でどんでん返しするパターンとがあると思うんです。序盤ほんとに普通な世界観なのに「お前たちがいた世界は実は…」みたいな。

ケムリクサみたいな前者のタイプって相当うまくストーリーを組み立てないと中だるみしちゃう気がするんですよね。海外ドラマでもこういうのって多いけど結構な頻度で中だるみしちゃってます。

その点ケムリクサはすごく上手いな、と感心させられちゃいました。

…ただ、キャラについてはあんまり好きじゃないです。萌えアニメ要素はケムリクサにはなくていいんじゃないかと思いました。そんなとこで視聴者層増やさなくても十分ストーリーの魅力だけで引き込める力強さがあったと思います。

これはわたしがあんまりこういったアニメを見ないので耐性がなさ過ぎただけかも。

ケムリクサ考察

感想だけでだいぶ長くなってしまいましたが、ケムリクサの謎や考察をしていきたいと思います。

「船」の考察

ケムリクサのラスト、「ここは船の端っこ」っていう発言があります。この「船」って何?過去回想でワカバが乗ってたハウルの動く城みたいなやつ?

これはほぼほぼ間違いないと思いますが、ケムリクサの最初から最後まではすべて巨大な船の中の話なんだと思います。

めちゃくちゃ巨大な船の中にあのハウルの動く城みたいなちっさな(といっても大きいですが)船があって、ワカバとリリは船の中でずっと作業していたってことだと思います。

8話?だったかでシロ(ルンバみたいなロボットです)と小さな遊覧船の中に行くシーンがあります。あのシーンでシロが「ココ?フネノナカ」みたいに表示するんですが、これがその小さな遊覧船を指すのではなく、もっと大きな、あの荒廃した世界全体をさしているっていうのはゾワッとするポイントですよね。

ラストの自然は地球?の考察

ケムリクサラストでは、その巨大な船のはしっこに穴が開きます。

穴から出てみるとそこには水が豊富にある自然豊かな世界が広がっています。この船の外側って地球なんでしょうか?

これもほぼ合っているはずで、回想シーンでワカバとリリが船の中に建物を転写しながら、「この下が地球なの?→そうだよ」っていう会話があるのであの自然豊かな大地は地球で間違いないと思います。

なんでそんな巨大な船が地球人に見つからなかったのかっていうと、ステルス機能があったためっていうのが一番シンプルだと思います。最後岩山の中に船があったのでそもそも岩山の中でずっと転写作業をしていたのか、それとも地球を飛び回りながら転写作業していて、岩山はベースキャンプ的な場所だったのかはわかりません。でも「この下が地球」っていうセリフから考えると地球を飛び回りながら転写作業していた、っていうほうがしっくりきます。

ワカバ=わかば?の考察

回想シーンで出てくるワカバと、本編に出てくるわかばはおんなじ人なのか?っていう疑問。

ワカバはリリがケムリクサで見た限り、ひとり赤い木と戦うも、体から木のようなものが突き出てあえなく死んでしまったようにみえます。また、回想シーンでワカバが、人がケムリクサを摂取したときに起こる現象をリリに語っている場面があり、その中で記憶を失ってしまったり何かしら改変が起こったコピーが誕生する事例がある、って言っていたと思います。

これらを合わせるとわかばはワカバのコピー、っていう感じなんでしょう。ワカバは赤い木と戦ってもう勝てない、という段階でケムリクサを摂取したんだと思います。

というか赤い木と対峙する段階でワカバには自分が死んでしまうことが分かっていたはず。だからこそ最後ワカバとリリのお別れの時、リリに「ものすごく遅くなるけど会いにいく」みたいなことを言ったのでしょう。

なぜコピーのわかばが誕生するのに時間が必要だったのかはわかりません。ワカバ、というかワカバの星の人は、人体にケムリクサを使った場合の研究もしていたのかもしれません。

地球人は全滅したの?の考察

ケムリクサではラストに自然が出てくるだけの地球なんですが、すでに人間って絶滅しちゃったのでしょうか。

回想シーンでのワカバとリリの会話だと、リリの両親(父親?)は忙しさが原因で不幸があったことがわかります。もし戦争やらなんやらで全滅していたのであれば、忙しすぎて不幸があったなんてことにはならないはずだし、それにリリだけ転写されたのもたまたまリリが死んだタイミングで転写しちゃったからなはず。もしたくさんの人が一度に死んでいたならリリだけが転写された説明がつきません。

(確定ではありませんが、転写できるのは死んだ人、生命じゃなく物体になった人だけっていうのが「リリが死んでから転写された」っていうワカバとリリの会話から読みとけます)

なのでリリ以外の人間は生きている可能性が高いことがわかります。きっと普通に学校に行ったり仕事したりと、現実世界と変わらない生活をしているんでしょう。

ラストで描かれた地球が大自然なのは、地球人が少なく人目に付きにくい場所に船のベースキャンプをかまえていたからなんでしょう。

「でっかい葉じゃん」の考察

ラスト、すでに死んでしまっていたリンの姉妹が消えるシーン。「でっかい葉じゃん」っていう意味深な発言があります。何を見たんでしょうか。

最初、船の穴からのぞく外の自然の大木をみて「でっかい葉じゃん」っていったのかなと思っていたんですが、ケムリクサ12.1話を見ると謎でもなんでもなくなります。

12.1話は1分弱とめちゃくちゃ短いアニメーションなんですが、消えちゃった姉妹3人とワカバが登場します。

姉妹は、回想シーンでワカバがやっていたようなビルの転写してる場所になぜかいて、その上空には大きな葉っぱみたいなケムリクサが浮かんでいます。「でっかい葉じゃん」はこの上空の葉っぱみたいなケムリクサを指していったんでしょう。

この空間自体の考察ですが、転写データが集まっているデータベースみたいな空間なんじゃないでしょうか。だから転写前のビルデータなんかがつまっている、と。

死んじゃったはずのワカバも姉妹も実は何かしらの状態で精神が残っている、っていうのはご都合主義すぎるので、ぶっちゃけこの12.1話は蛇足な気がしますが、製作者がこうなんだ!と言っているのでそうなんです。

というかそれならリリがかわいそうすぎる。変にケムリクサで自分のコピーを作らなかったらデータベース空間でワカバに会えてたってことだし。…それかもっとご都合主義でいくなら、12.1話には登場しないけどリリもデータベース空間にいる?んでワカバと再会できている?

確かに12話のエンディング、姉妹のピンクの糸が消えていくいつものやつの左端にワカバとリリが再開できたようなシルエットがうすく描かれているんですよね。

赤い木を倒したことでデータベース空間が正常に戻り、ワカバとリリが転送された、わかばとリンが穴から外の世界に出たのと同じタイミングで、データベース空間ではワカバとリリが再会を果たしていたのかも。

リリが報われたのは素直にうれしいんですが、ちょっとハッピーエンドすぎて頭がついていきません。

その他勝手に推測

船は実は小さい?

これはそうだったらさらに面白いな、っていうだけなんですが、リンたちが冒険していた船って実はめっちゃ小さいんじゃないか、っていう推測。

ワカバたち宇宙人はもともとめちゃくちゃ小人でだから地球の上を飛んで転写してても見つからなかった、転写も1/1スケールで転写してるんじゃなくってプラモデルみたいに1/100とかめっちゃ小さく転写してる的な。

あれだけの大冒険が実はとってもスケール的には小さな話でした、っていうのはさらにゾワッとする楽しい仕掛けになりますよね。

なんでケムリクサ?

これは今でもよくわからないんですが、なんで話の組み立てにケムリクサっていう謎のテクノロジーが必要だったんでしょうか。あれってワカバの星で使われているテクノロジーなんですよね。

別にあんな得体のしれないもの(そしてラストまでケムリクサがなんなのかわからないまま)がなくてもこのストーリー自体はぜんぜん破綻しないし、むしろストーリー全体でみるとケムリクサの存在は違和感がある。

リンやらは普通に異能力持ちでいいし、それ以外のケムリクサ全般は普通に機械として描けば問題ないしそのほうがしっくりくる。

ワカバが回想シーンでケムリクサ(煙草=タバコ)をふかしていたのは面白かったし、キャラの名前がタバコの銘柄からきてるっていうのもいいんですが、なんで?っていうのはそれでも抜けない。

ケムリクサ最大の謎。

ケムリクサ感想・考察まとめ

ケムリクサ、とってもいいアニメでした。

最近のアニメって漫画が原作だから最後まで描かない(描けない)のが多すぎだし、ゲームもスマホゲーが流行ってからはバシッと終わらないし、海外ドラマは伏線投げっぱなしだし、なんか歯切れが悪いんですよね。日本のドラマはちゃんと完結してるじゃんって話なんですが、そもそも日本のドラマは完結しようがしなかろうが元が面白くないっていう。

そんな中「面白い!」「めちゃくちゃすっきり終わる」っていうケムリクサは貴重な存在だと思います。ちゃんと伏線が回収されているから考察しなくてもいいくらいに歯切れがよかったです。

【おしらせ、というか完全なる宣伝】

文体がもうぜんぜん適当すぎてあれだけどものすごい自由に書いてるブログ「檸檬だくだく」もよろしく.寝る前に読める恐ろしくくだらないやつです.

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