特定行政書士とは。不服申立て代理権ってホントはなんなの?

資格

2016/08/29(月)

H26/12/27に始まった特定行政書士

この記事では平成26年12月27日に始まった新しい制度である特定行政書士について「その概要」「新しく拡大された業務」「特定行政書士になるには」について詳しく紹介していきます。

行政書士の仕事に興味があるけど特定行政書士ってなんなの?といった方の参考になればと思います。それではいきますね!

  1. 特定行政書士の成り立ち
  2. 新たな業務「不服申立ての代理権」とは?
  3. 不服申立て代理権の範囲
  4. 特定行政書士になるには

特定行政書士の成り立ち

ここ数年弁護士の新司法試験制度開始に始まり、司法書士や社労士などそのほかの士業についても大きな法改正がありました。

例えば司法書士は簡易裁判所のみとなりますが裁判で弁護ができるようになりました。これまで裁判所で弁護できるのは弁護士のみに許された権限だったのです。

また社労士は労働者からの労働相談に対し「あっせん」という裁判によらない話し合いを会社側と行えるようになりました。これまで何か争いがある場合に間に入って交渉できるのは原則弁護士のみだったのです。

このように法改正によりそれぞれ社労士に対し特定社労士、司法書士に対し認定司法書士という制度があらたに加わることになり、業務拡大が期待されています。

この流れは行政書士についても同様で、平成26年12月27日より特定行政書士という制度があらたに始まりました。特定行政書士には新たに「不服申立ての代理権」という権限が与えられました。

新たな業務「不服申立ての代理権」とは?

特定行政書士に与えられた「不服申立ての代理権」とはいったい何?一番大事なところなので詳しくみていきましょう。

市役所やその他官庁に出した書類が不許可になっちゃった場合、なんとかして許可してほしいものです。そんな時「不服審査」と「行政訴訟」の二つの解決策があります。

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「行政訴訟」は原発の開発中止を求めて行われるなどニュースでも時々耳にすることが出来ます。これは今回の特定行政書士とはまったく関係ありません。またこの行政訴訟を代理できるのは弁護士のみとなります。

「不服審査」。こちらが特定行政書士に関係のある項目です。

不服審査というのは市役所などの不許可決定など、役所の決定に対し「納得していない!」としてその決定が適切だったか審査してもらう制度のこと。結果としてこの決定は不適切だと認められれば不許可決定は取り消され決定内容が変更されるので、訴訟までせずともこの不服審査だけで解決することもできるのです。

費用もあまりかからず審査の時間も行政訴訟に比べれば短いので、原発開発などのように重大でない、比較的軽い案件で用いられることが多いです。

現行の行政書士は不服申立ての代理ができない

特定行政書士ではない普通の行政書士はその不許可決定に対し「いや、この決定はおかしいよ。決定が適切なのか審査してよ。」と不服審査を申し立てる事ができません。これまで不服申立ては弁護士のみが行える仕事だったのです。特定行政書士が自分で不服申立てができるようになったのは大きな進展だと思います。

自分で不服申立てできるの?

できます。

いつもぼくたちが市役所に何か提出するとき、だいたいは簡単な用件なのでわざわざ行政書士に頼まず自分で市役所に行って書類に記入してそのまま提出すると思います。こんなときでも提出した許可届が不許可になった場合(あんまりないことだとは思いますが)、提出した役所に対して自分で不服審査を申し立てることができます。

基本的に弁護士や司法書士、行政書士に社労士のような士業が行う仕事は本人であればどんなことでも行えます。例えば裁判、例えば登記。自分でやっていっこうにかまわないのです。

(また自分で不服申立てにいけない場合は親戚などに「不服申し立てしてきて!」と頼むこともできます。)

特定行政書士とは:まとめ

特定行政書士とは、不許可のように役所の決定に納得がいかない時不服申立てができる行政書士のこと

不服申立て代理権の範囲

特定行政書士には不服審査申立ての代理権があることがわかりました。次にその代理権の範囲を見ていきますね。

特定行政書士は「行政書士が作成した官公署に提出する書類に係る許認可等に関する審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立ての手続について代理」ができると行政書士法で定められています。ここも重要な点なのでいくつかのケースに分けて詳しく見ていきますね。

本人が自分で申請したけど不許可処分。それを特定行政書士が不服申立て

『そのままじゃできない』

自分で出来るだろうと思って申請をしたけど不許可を食らってしまい誰かに許可になるよう助けを求めるパターンです。本来はこれが一番やりたいところですよね。ただこのままでは依頼人が作成した書類で、「行政書士の作成した」書類ではないので不服申立てをすることができません。

もう一度最初の申請から行政書士がやり直し、そしてそれでも不許可決定なら不服審査を申立てるという方法なら可能です。

依頼人から依頼され、特定行政書士が作成した申請が不許可処分。それを特定行政書士が不服申立て

『できる』

これは文句なしに○です。

他の行政書士が作成した申請が不許可処分。それを別の特定行政書士が不服申立て

『できる』

これも可能とされています。がまだまだ特定行政書士の制度が出来て日が浅いのでこれから弁護士会などから規制がかかる可能性があるかもしれません。

なので依頼人から「自分で申請したけど不許可処分を食らった…。なんとしたものか…。」みたいな相談を受けた場合にそのままでは不服審査の申立てができない、その点だけが要注意です。

特定行政書士の代理できる不服申立てには条件があり、行政書士が作成した書類に関する不服申立てであることがポイント

特定行政書士になるには

そんな特定行政書士になるにはまず行政書士試験に合格する必要があります。(行政書士試験についてはこちらにまとめました。

その上で日本行政書士会連合会の実施する研修を受けさらに考査に合格する必要があります。

法改正で仕事内容が拡大した特定行政書士

今回は平成26年12月27日に始まった不服審査申立ての代理権をもった特定行政書士について紹介しました。

特定行政書士になると不服申立て代理権が認められ、不許可決定が適切かどうかの審査を要求することが出来ます。これは行政訴訟に比べお金と時間のあまりかからない手軽な方法ではあるのですが、これだけで不許可処分をくつがえすことのできる制度となっています。

「行政書士が作成した書類に関する不服申立てであること」という点に注意が必要ですが、行政書士の仕事の幅をかなり広げてくれる制度となっています。

次回は特定行政書士になるための研修内容や試験科目、そして合格率について紹介していきます。(特定行政書士になるための研修内容や試験科目について