元SEが考察するアナザーエデンの確率操作疑惑

くらし

最終更新日:2018/09/24

ラムネグから一言:寝る前に読むとくだらなすぎて逆に寝れると好評なすごい適当なブログをこっちではじめてます.

アナザーエデンの確率操作について考察

アナザーエデンというスマホアプリが炎上してしまいましたね。今回の炎上は、アナザーエデン運営の初動の悪さも影響しているとは思いますが、それ以上にガチャの確率操作にかかわる内容だからこそ特に大きく炎上しているのだと思います。

昔SEとしてシステム開発をしていたこともあり個人的にプログラム的な内容が好きなので、今回はこのアナザーエデンの確率操作疑惑について考察していきたいと思います。

この考察では運営の説明を全部”事実”としてとらえた場合どうなのかその対応は妥当なのかについて、アプリ開発のではなく組み込み系SEとはなりますが元SEとして感じた事を書いていきたいと思います。

  1. アナザーエデンの確率操作について考察
  2. アナザーエデン炎上のあらすじ
  3. 暫定措置ってよくあるの?
  4. なぜバグ特定ができないのか
  5. 運営が暫定措置に期待した事
  6. ガチャの偏りについて
  7. 反対に星5、星4.5の欠損はなかったの?
  8. まとめ

アナザーエデン炎上のあらすじ

今回の確率操作疑惑について考察する前にどういった事が起こったのか軽くおさらいしておきますね。

2018/9/13

10連ガチャで星5と星4.5ばかりが出ている結果がツイッターなどで複数報告される。またなぜか排出された星5や星4.5に偏りがある(同じキャラが複数排出される)ような報告が多い。

※星5:最高レアで排出率が一番低い、星4.5:アプリ内アイテムを集めると星5に進化できる星4の事。星5と同じく排出率が低い

2018/9/14

アナザーエデン公式からサーバーの高負荷が原因で星3、星4が欠損してしまった結果今回の事が起こったと公表

※星4:けっこう当たりやすいレア度のキャラ、星3:ハズレとされているキャラ

2018/9/19
アナザーエデン公式から星3、星4が欠損してしまうバグは以前から確認できていたが解明できていなかったので暫定措置として1年ほど前から「10連ガチャで星5が4体以上出たらガチャを再抽選する」という処理をガチャプログラムに追加していたことを公表(この部分が確率操作疑惑の部分)

大ざっぱにいうとこんな流れで炎上しています。運営は暫定措置とは言っていませんが開発していた側からすると「暫定措置だろうな」という印象を受けたのでそう書いています。

まとめると「なぜか最高レアリティの星5と星4.5ばかりでる時があるなー」→「あれ?原因分からない…」→「暫定処置を入れよう!」という流れである、と公式が認めたという事なります。今回はこの説明がぜんぶ本当だとして考察していきますね。

暫定措置ってよくあるの?

まず最初に、今回アナザーエデンでユーザーに説明なく入れられた暫定措置「星5が4体以上でたら再抽選」について、そもそも暫定措置ってよくあるの?という切り口で書いていきますね。

結論から書くと、原因を特定できなかったバグについて暫定措置を入れてアップデートするというのはそんなに不思議な事ではありません。けっこうどんな業界でも行っているのではと思います。今回のアナザーエデンの件でもシステム開発に携わったことのある人とそうでない人との間でずいぶん受ける印象が違うかもしれませんね。

ただもちろんその後もバグの原因究明は継続して行いますし、バグが特定出来たあかつきには暫定措置は外して本来のバグ修正を入れて本修正とします。

話を戻しますが、開発の現場ではユーザーからのバグ報告やクレームがけっこう頻繁に届きます。開発としてはバグの緊急性に応じて優先度をつけたのち、緊急性の高いバグから順にまずはバグの再現を試みます。

しかし、何度やっても再現しないものとか再現してもログが取りづらいものについてはなかなか原因がわからなかったりします。

ログが取りづらい、というのは例えばバグが発生すると機械ごと落ちてしまう時とか、高負荷になりすぎてログうまく出力ができなかったりなどの場合があります。「高負荷」というとなにやらアナザーエデン感があるワードですが、実際にシステム内部がアホほど動きすぎていてログの出力が間に合わない時とかがあります。

こうなると緊急性の高いバグについては暫定措置も考えます。とりあえずこうしておけば致命的な動きは避けられる、という風な。

このようにして暫定措置は入れられることになる訳ですが、バグの原因がわからず暫定措置となっていることを対外的に公表しないというのは…、ぼくの経験上はないですが、それは組み込み系だったからかもしれません。

同じシステム開発でも大多数の人を相手にしているアプリ開発という現場だと、暫定措置を技術的にわかりやすく説明するのが難しいので公表しないというのもあり得ない話ではないと思いますし、今回のアナザーエデンの対応もありえる対応なのかな、と思います。

ただ、暫定措置を入れてから1年以上経っても原因を突き止められていない事、暫定措置がガチャというお金がモロに動く部分に影響する事、さらに暫定措置を行った後のガチャ結果と公表されている排出確率とが合致するように担保されていない事、はやっぱり詰めが甘い印象を受けます。

なぜバグ特定ができないのか

アナザーエデン運営の説明を信じるとすると、「星3と星4が欠損してしまって星5や星4.5ばかりがでるバグ」の原因がわからなかった、という事になります。

という事で次は、実際ガチャのプログラムで原因がわからなくなるようなバグが入り込むものなのかについて見ていきます。

ただ、同じシステム開発でも組み込み系(工場のロボットとか家電とか)だったので見当違いかもしれないという点はご愛嬌です。

この手の抽選をするプログラムは情報学科の大学生だと学校の課題として行うこともあると思います。何が言いたいかというとシンプルに作ればそれくらい簡単なプログラムだという事です。

簡単に処理を説明すると、ガチャが引かれた日付や時間をもとにランダム数を生成し、その数字を使って抽選を行うというものです。

抽選に関しては例えば、1~100ならこのキャラ、101~1000ならこのキャラという風に、ランダム数が含まれる範囲に幅を設ける事でキャラごとの排出率を制御できます。縁日のスピードくじに近い処理ですね。

必要最低限の処理ですがとりあえずこれでガチャプログラムが完成します(本当はもっとランダム数の生成には気を使うと思いますが)。

さて、ではこんなシンプルなプログラムでバグが発見できない事はあるのでしょうか。

実際問題、このような簡単な処理でバグが発見できないはずありませんし、そもそもシステム開発を仕事にしている人がこんな単純な処理でバグを入れてしまう事はまずないでしょう。

ではアナザーエデンの開発はなぜバグの特定ができなかったのか。その理由は、みなさんが言っているようにガチャプログラムがもっと複雑だったからでしょう。

どのように複雑だったのかはそれこそ妄想になってしまうので割愛しますが、システム開発のプロが束になってもわからないくらいには複雑な処理だったのです。

ちなみにですが今回のように”特定のデータが欠損する”というのはかなり特殊なバグです。通常、プログラムは決められたことをするだけですし、たとえどれだけ高負荷だったからといってそれは変わりません。もし何らかの原因でデータが確保できないのならエラーが発生するかガチャプログラム自体が異常終了します。

運営が暫定措置に期待した事

次はアナザーエデン運営が暫定措置「星5が4体以上出たら再抽選」で行いたかった操作、というかどんな致命的な動きを封じたかったのかについて書きます。

運営としては、この暫定措置を入れる事で、確率操作をしたかったのではなく、原因不明のバグである「星3、星4欠損、星5、星4.5だけ排出」が起こってもガチャをはじめからやり直すことで星3、星4が欠損していない普通のガチャになる、事を期待していたのだと思います。

星5が4体以上出る可能性は0.01%以下となるようで、それはそれはものすごく低い確率です。そこで「もし星5が4体以上出たらそれはあの解明できなかったバグ(星5と星4.5だけが出るバグ)が出た証拠に違いない!」→「ガチャをやり直し(再抽選)して星3や星4が欠損していない普通のガチャになるようにしよう」という考え方です。

しかし、アナザーエデン開発としては悲しい事ですが、再抽選しても星3、星4のキャラの欠損は継続されてしまい、星5と星4.5ばかりがでるという現象は治らず、暫定措置はただ単に星5、星4.5のキャラの中から何度も再抽選するだけの動作になってしまったのでしょう。

要は暫定措置が不十分だった、という事になります。

やりたいことはわかるのですが、ならどうして「星5と星4.5ばかりがでたら再抽選」にしなかったのかが不思議でなりません。また、なにもこの不具合を避けるのは星5、星4.5ばかり出たら再抽選としなくても、例えば星3、星4のキャラが欠損していたら再抽選という暫定処理も行えたはずです。むしろその方が安全にバグを回避できるのでより現実的な措置に思えます。

もっというと星3や星4のキャラデータが欠損した段階でなんらかのエラーが発生するはずなので、そのエラーを拾って再抽選するなりガチャをいったん中止するなりすればいいはずなんですが…。

とにかくなぜ「星5が4体以上出たら~」なんていう不十分で抜けの多い暫定措置にしてしまったのか不思議です。

あまりないですが一つ考えられるのは、当時の担当者が退社してしまうとか、そもそもガチャプログラムがよそからの流用だったりして、バグが発覚したときすでにガチャのプログラムが開発内の誰にも読み解けない状態だったのかもしれません。だから非効率な暫定措置になってしまった、と。

ガチャの偏りについて

星5や星4.5ばかりが排出されるバグが発生したとき、ツイッターなどのガチャ結果報告をみるとなぜか特定の星5キャラが複数出てたりとかなり不自然な出方をしています。

ただ、これについては運営の発表を信じるならプログラムに原因不明の不具合が発生した状況下での結果ですので、通常の排出確率を保証できないとは思います。

ですのでキャラごとの排出確率を不正に変えていた、という事ももしかするとあるかもしれませんし、ユーザーごとに排出確率をいじっていたりという事もあったのかもしれませんが、今の段階では想像の域を出ませんしそれこそ第三者の調査が入らない限りわからない部分です。

反対に星5、星4.5の欠損はなかったの?

今回確率操作が明るみになったのは、本来なら出にくい星5や星4.5ばかりが排出されたから、なわけですが、なら反対に星5や星4.5が欠損していたことはなかったのか、というのが新たに疑惑としてあがってくると思います。

これについても運営が直近1カ月分の各レアリティの排出確率をガチャのログをもとに算出して公表してくれています。

公表されたデータによると、星5については実際の確率と公開していた確率でプラマイ0、星4の排出率は少しプラス、星3の排出率は少しマイナス、という事です。

これだけ見るとむしろ公表されていたガチャ排出確率よりも実際の星4の出目が多い分、ユーザーにとってはお得感のある暫定措置だという事になります。

また、暫定措置を入れた状態でも各レアリティでの排出確率がほぼ同じことから、星5や星4.5の欠損は起こっていなかったか、もしくは起こっていたとしても誤差の範囲か、星3、星4の欠損と上手に打ち消しあったかという事になります。

ただこれはあくまでも直近1カ月のガチャ結果をもとに算出されていますので、過去の分になるとどうかはわかりません。

ぜひ運営にはこの暫定措置を入れた1年前からのガチャ結果をもとに集計してもらいたいと思います。

まとめ

今回はアナザーエデンの確率操作疑惑について考察していきました。

全部まとめると、暫定措置はよくあるけれど公表してないしさらに詰めが甘いし、そもそもなんでそんなに複雑なガチャプログラム組んだのか不思議。ガチャの偏りはバグの中での結果だから何とも言えないけれど、暫定確率を入れた後の確率はもう少し長いスパンでの実測値も公表してほしい、という感じです。

クロノトリガー的な表現が多いという事なので、実はこの炎上を知ってからからちょこちょことこのゲームをしだしているのですが、かなり面白いです。ゲームとしてきちんと作りこまれているので、このままサービス終了になってしまうとすれば個人的には少し残念ではあります。

【おしらせ、というか完全なる宣伝】

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こんなにも一ミリも目を引かれないタイトルを取り扱ってます: ココア20g / ハイチュウとかってさ / なぜ米と小麦を食べようと思ったのかの謎 /