特定行政書士になるには
前回の記事では特定行政書士になると不服審査請求の申立て代理権が認められることを紹介しました。今回はそんな特定行政書士になるための研修内容や試験概要、そして合格率について詳しく紹介していきます。
行政書士、そして特定行政書士の仕事内容に興味がある方は参考にしてみてくださいね。
- まず行政書士試験合格が第一歩
- プレ研修(参加自由・有料)
- 5月:研修/考査申し込み
- 6月~9月:本研修
- 10月:考査(テスト)
- 12月:結果の郵送
- 考査科目について
- 特定行政書士になるには
- まず行政書士試験合格が第一歩
- プレ研修(参加自由・有料)
- 5月:研修/考査申し込み
- 6月~9月:本研修
- 10月:考査(テスト)
- 12月:結果の郵送
- 考査科目について
- 特定行政書士はまだまだ始まったばかり!
まず行政書士試験合格が第一歩
特定行政書士になるにはまず行政書士試験に合格する必要があります。その後に特定行政書士のための研修(18時間)と考査(2時間)を受けてやっと特定行政書士となることが出来ます。
行政書士試験は例年11月に試験が行われ、合格率は年によって上下しますがおおよそ8%が平均となっています。法律系の資格としては登竜門的な立場と言われることもあり、独学でも十分合格が可能な試験ではありますが、その実、合格率はかなり低くなっており注意が必要です。(独学勉強法についてはこちらにまとめました。)
プレ研修(参加自由・有料)
行政書士試験に晴れて合格した後の話に進みましょう。
行政書士合格後は行政書士会に登録しましょう。登録しないと特定行政書士の研修は受けられません。
登録後、次にいつでも受けられる有料のプレ研修というものがあります。位置づけは予習となっており、プレ研修は受けても受けなくても構わないものになっています。値段は1万円強で、パソコンで配信されるオンデマンド教材を見るという学習方法を取っています。
ちなみにこのプレ研修は行政書士に受かっていなくても、行政書士会に登録していなくてもどなたでも見ることが出来ます。
5月:研修/考査申し込み
特定行政書士になるには研修を受け、そして考査に合格する必要があります。
5月が特定行政書士の研修/考査の申し込み期間となっています。特定行政書士の研修/考査は年に一度しか行われません。この期間に申し込みを行わないとまた来年となりますので注意してくださいね。
研修/考査費用はテキスト等すべてあわせて8万円かかります。また、前年度考査を受けたが不合格だった方については、もう一度研修から受けなおす場合は半額の4万円、研修は受けず考査のみ受ける場合は無料となります。
6月~9月:本研修
本研修ではおおよそ4日の間に18時間(18コマ)の研修を受けることになります。6月~9月の間に2,3回にわけ研修が行われるのでそのどれかの回に参加することになります。研修は各都道府県で行われるのですが研修日程は都道府県によって異なります。
講習自体はDVDを用いて行われ、また1コマでも受け逃がすと考査を受けることが出来なくなるので要注意です。
10月:考査(テスト)
そうして研修を無事終了した後、10月に全国いっせいに考査(テスト)が実施されます。特定行政書士になるにはおおよそ6割の得点が必要とされています。(ただ、特定行政書士の考査は今まで一回しか行われていないのでこれから合格率は大きく変わっていくかもしれません。)
考査は2時間で30問のマークシートを解くことになります。
12月:結果の郵送
そうして行われた特定行政書士の考査結果は12月に結果が郵送されます。
考査科目について
ここからは考査(テスト)で問われる試験科目について紹介します。試験科目は行政法総論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、要件事実・事実認定論、そして特定行政書士の倫理と多岐にわたっていますが、ほとんどは行政書士試験で学習した科目と同じとなっています。
- 行政法総論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法
-
行政法総論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法については行政書士試験で出題される主要科目になりますので特に気にする必要はありません。
- 要件事実・事実認定論
-
要件事実・事実認定論は行政書士試験の試験科目ではないのでとっつきにくいと思います。ここでは裁判所での事実認定の方法について学ぶことになります。そういった意味では行政事件訴訟法の範疇ですが行政書士が訴訟を行うことは出来ないので、あくまでも、裁判官の事実認定の仕組みを知っておこうということだと思います。
この要件事実・事実認定論に4時間(4コマ)費やすのでかなり重要視されていることがわかります。
特定行政書士はまだまだ始まったばかり!
今回は特定行政書士になるための研修内容と試験概要、そして合格率について紹介しました。
特定行政書士になれば今まで弁護士しか出来なかった不服審査請求の申立ての代理が出来るようになるので、仕事の範囲は拡がります。
まだまだ始まったばかりの特定行政書士制度。特定行政書士になるには研修に考査にといろいろパスしなければならない壁は多いですが、試験回数が重なるにつれていろいろ変更(試験の難化など)されるかもしれませんので、早めに取っておくほうがいいかもしれませんね。