行政書士のリアルな仕事内容。具体的にわかりやすくおさらい!

資格

2016/08/30(火)

行政書士の具体的な仕事内容

行政書士。みなさんはどんな仕事をしている人たちなのかすぐにイメージがつきますか?

街の法律家といったイメージを持っている方や、遺言や離婚相談の人といったイメージだったり、そもそも関わったことがないという人もたくさんいらっしゃると思います。

今回は行政書士っていったいどんな仕事をしているのか、そのリアルな仕事内容を具体的にわかりやすく紹介していきます。行政書士に少し興味がありこの記事に来ていただいた方にも具体的な仕事をイメージする参考になると思います。

行政書士の主な仕事は「官公署に提出する文書作成」

行政書士について定めた法律があります。その中で行政書士にしか出来ない仕事(これを独占業務と言います)が定められているのですが、要約すると行政書士の仕事は官公署(市役所や省庁)に提出する書類の作成業務ということになります。「役所に出す書類全般の作成!」ってかなり広い独占業務ですよね。また書類作成に伴う相談業務についても独占業務ではありませんが行政書士の仕事です。

さらにこれに加え契約書や内容証明そして遺言など、権利義務に関する書類作成を業務とされている方もいらっしゃいます。こちらは誰でもすることが出来ます。

行政書士の仕事はわかりづらいとよく言われます。それは上記の行政書士の独占業務がかなり広範囲にわたるためです。「広範囲にわたる」というと聞こえはいいのですが、悪く言うと専門性が少ないということにもなります。例えば司法書士は登記の専門家、弁理士は特許の専門家、と一般に個人が行うには難しい届出を請け負うことでお金をもらっています。

実際役所に届け出る書類ってぼくたちも普通に自分で提出していますよね。だから範囲は広くてもそのほとんどは行政書士に頼まなくても自分で出来ることばかりなのです。

行政書士など士業の仕事について

行政書士など士業の仕事は実は自分で行えるなら自分でして一向に構いません。

例えば訴訟も弁護士に頼らなくてもいいですし、登記も司法書士に頼らず自分でしても大丈夫です。あくまで専門的過ぎて自分でするのがしんどいから士業に頼む、というのが士業の成り立ちなのです。

法律相談の仕事はできるのか

行政書士が法律相談を仕事として出来るのか、についてです。これはかなりデリケートな問題となっているのですが、とりあえず官公署への提出する書類作成に関する法律相談は行政書士法にも書かれているので問題なく受けることが出来ます。

さらに当事者間に争いのない法律相談、例えば法律上誰が相続人になるのか、のような相談も受けることが出来るとされています。

注意が必要なのは当事者間に争いのある場合です。「実際にもらった相続分が少なすぎる!」みたいな場合は非弁行為とされる場合があります。

官公署(役所)に提出する書類で専門性の高いもの

行政書士は「役所に出す書類全般の作成!」を独占業務として仕事にすることが出来ますが、その実、仕事に出来るまでの専門的な書類というものはそう多くありません。役所に提出する大体のものは役所で丁寧に教えてくれますしそこまで専門性のいらない簡単なものだからです。

ということで行政書士が仕事としているのは、

行政書士の仕事は官公署(役所)に提出する書類で、かつ、専門性の高いもの

となります。ここから下ではではその専門性の高い書類とはどういったものがあるのか一つずつ紹介していきます。

  • 建設業許可・産業廃棄物処理業許可
  • 薬局・介護施設・飲食店・風俗店営業許可
  • 学校法人・宗教法人設立許可
  • 外国人の帰化申請
  • 著作権登録・種苗法の育成者登録
  • 叙勲申請
  • 遺言書作成

建設業許可・産業廃棄物処理業許可

もっとも代表的なのが建設業許可の仕事です。何か建設するためにはそのつど役所の許可がいるのですがその許認可に必要な書類作成を行います。

さらに産業廃棄物処理場の場合はさらに特別な許可が必要になりますのでより専門性が高くなります。また単価の相場も一件当たり10万円以上とかなり高くなっています。

薬局・介護施設・飲食店・風俗店営業許可

次に営業に許可が必要な仕事の許可申請です。こちらも繁華街など都市近郊の行政書士でかなりメジャーな仕事内容となっていますし、地方でも介護施設の許可が最近増えてきています。

こちらも取引先が会社の場合が多いので一見当たりの報酬相場も15万円前後とかなり高額となっています。

学校法人・宗教法人設立許可

学校法人設立や宗教法人設立に際しても国に届出が必要となります。依頼自体の件数が少ないのですが相場は一件あたり50万円前後となります。

外国人の帰化申請

外国人の帰化申請も役所に書類を提出する必要があります。

こちらも報酬単価は15万円ほどとなっていますので、何かしらの言語が話せるのであればかなりねらい目の仕事となります。

著作権登録・種苗法の育成者登録

著作権や種苗法に見られる保護登録です。特許や意匠といった特許庁に提出する書類に関しては弁理士という特許を扱う専門の士業の独占業務と法律で定められているので、残念ながら行政書士は作成することが出来ませんが、著作権登録や種苗法による登録はそれぞれ文化庁管轄、農林水産省が管轄となっているため行政書士が書類の作成/提出をすることが出来ます。

叙勲申請

これはかなりニッチな分野ですが、褒章・勲章の申請を行うものです。

実は叙勲受賞者は推薦で選ばれるのですが、推薦後さらに受賞候補者の経歴等の資料を書類にまとめて提出する必要があります。この過程はやはり官公署に提出する書類なので行政書士が行えます。

遺言書作成

遺言書作成業務です。

ただこちらは行政書士の独占業務ではないので本来は誰でも行うことのできる仕事です。競争が激しく例えば弁護士や税理士、そして司法書士なども同様の仕事を行っています。

行政書士の一般的な仕事報酬

行政書士の報酬単価についても少しだけ触れておきます。上記の仕事紹介でもいくつか書きましたが、詳細は日本行政書士会連合会が調査した報酬額統計に載っています。

以下は上記報酬統計やその他行政書士事務所の実際の料金を参考に算出したおおよその金額となります。

建築業許可
12万円
薬局開設許可
25万円
学校法人設立許可
50万円
帰化申請
20万円
著作権登録
6万円
遺言書作成
6万円

単価はいずれも高額ですが、最近では行政書士の人口が増えすぎたこともあり価格競争や仕事の取り合いが激化しています。この傾向は行政書士だけでなく士業全体で起こっています。

また役所が親切になってきていること、ネットで簡単に方法が検索できるようになったこと、さらに近年では弁護士でさえも人工知能に取って代わられようとしている等、士業全体を危ぶむ声が多いのも事実です。

ただそのような士業全体の流れの中で、行政書士は新しい法律が生まれれば生まれるだけ、そして新しい許認可書類が増えれば増えるだけ、行える仕事が増えていきますのでもっともそういった時代の変化についていきやすい士業だと言えます。

行政書士の仕事内容をおさらい

今回は行政書士が実際にどんな仕事をしているのか具体的な仕事をあげて詳しく紹介しました。

行政書士は官公署(役所)に提出する書類作成を独占業務として持ち、さらにその中で専門性の高く一般の方では提出の難しい書類の作成と相談を主な仕事としていることがわかりました。

行政書士は他の士業と比較して試験に受かりやすい資格です。おおよそ500時間勉強すればほとんどの場合受かりますし、300時間の勉強でも五分五分で合格できる試験となっています。仕事内容に興味が湧いた方はこちらに勉強法をまとめましたので参考にしてください。(行政書士試験の独学について